強迫性障害

強迫性障害とは

「わかっちゃいるけど止められない」

強迫性障害はよくこのように表現される病気です。自分では馬鹿げているとわかっていても、その事が頭から離れず(強迫観念)、ついつい行為に移してしまう(強迫行為)状況です。その行為とは具体的には次のような内容です。

強迫性障害の種類

  • 不潔恐怖

    汚れやバイ菌に感染することを過度に恐れ、手洗いや入浴を必要以上に行ったり、タオルを頻繁に変えたり、ドアノブや手すりに強い不潔感を抱いてしまう。

  • 加害恐怖

    車や自転車を運転している時、ふとした瞬間に「人を引いてしまったかもしれない」と何度も同じ場所に戻ってしまう。

  • 数字強迫

    ある特定の数字に対して強いこだわりを持つようになり、縁起がいい数字、悪い数字などに必要以上に固執してしまう。

  • 儀式行為

    自分が決めた順番で物事を行わないと不吉なことが起こるという不安から、どのような状況でもその順番に強くこだわってしまう。

日常生活に支障が出た時が治療のサイン

強迫性障害は人々の日々のこだわりの延長線上にある病気です。どんなに強いこだわりがあっても、生活していく上で問題がなければ病気と定義しません。大事なことは「その行為や観念が日常生活に多大な悪影響を及ぼす」時が病気のサインです。

当院での強迫性障害治療

薬物療法
強迫性障害に対しての薬物療法には抗うつ薬が使用されることが一般的です。気分が落ち込むことも多く、そうした意味でも抗うつ薬の使用により一定の効果が現れることが多いです。ただし、うつ病治療に比較して高用量の抗うつ薬を使用することが多く、副作用をモニターしながら辛抱強く治療を続けることが大切です。
非薬物療法
「暴露反応妨害法」
簡潔に表現すると、本人がどうしてもしてしまう行為、例えば何度も手を洗ったり、車のシャッターが閉まっているか何度も確認したりする一連の行為を「我慢」させる治療法です。薬物治療と並行して行うと相乗効果を生みやすいと言われています。

治そうという気持ちが大切

強迫性障害は残念ながら、薬物治療や認知行動療法単体で治療できる病気ではありません。
患者様ご本人が「治療する」気持ちを強く持ち、「我慢」する姿勢がとても大切になります。

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