うつ病とは
うつ(鬱)とは本来「気分が塞ぐ、晴々しないこと」を意味します。
文字通り、うつ病とは気分が沈んで憂うつな状態が長期間続く病気です。誰しも程度の差こそあれ気分が憂うつになることは経験があるはずです。
しかし、うつ病になると気分が沈んだ状態が何週間、何ヶ月、時に何年と続きます。加えて意欲が低下したり、何にも興味を抱かなくなるなどの精神症状が現れます。
さらに、食欲が湧かない、眠れない、肩が凝る、頭痛がするなどの身体症状にも悩まされます。
うつ病は日本人男性の10人に1人、女性の場合は5人に1人がかかると報告されていますが、実際に心療内科や精神科で治療される方はそのうち20%に過ぎません。
下記のような症状が長く続くようならお早めにご相談ください
うつ病で現れやすい病気のサイン
精神症状
- 気分が沈んでゆううつだ、心が晴れない
- 大好きだった趣味や行事が全く楽しめなくなった、興味が湧かなくなった
- 仕事や家事、学業に集中できない
- 意欲や気力が湧かない、おっくうだと感じてしまう
- うまくいかないのは自分のせいだと思ってしまう
- 後悔の念が絶えない
- 死んでしまいたい、消えてしまいたいと思うことがある
身体症状
- 疲れが取れない、だるくて朝起きられない
- 寝つきが悪い、寝た気がしない、朝早く目が覚めてしまう
- 食欲がない、もしくは過食してしまう
- めまいやふらつきがある
- 頭や腰、関節が痛い
当院でのうつ病治療
うつ病の治療は大きく3つに分かれます。
- 十分なこころとからだの休息
- 抗うつ薬を中心とした薬物治療
- 認知行動療法、支持的精神療法などの精神療法
非薬物療法について
当院ではまず十分な休息を取ることを患者様にお勧めします。また、適切な食事を摂ること、適度な運動を行うこと、生活リズムを一定に保つことなど生活習慣についてもアドバイスいたします。
薬物治療に関して
うつ病になるとダメージを受けてしまう脳内のセロトニンやノルアドレナリンと呼ばれる神経系の働きを正常に戻すため、SSRIやSNRI、NaSSAと呼ばれる最新の抗うつ薬を中心に使用していきます。
不安や不眠が強い場合
睡眠薬、抗不安薬などの内服も併用することがありますが、当院では多剤併用を避け、極力シンプルな処方を心がけます。
薬が苦手な方
漢方薬を勧める場合もありますが、うつ病の場合効果が限定される可能性があります。
症状に気づいたら早めに相談。
それがうつ病をこじらせないコツです。
治療期間の目安
うつ病は一般に再発率が高い病気です。良くなってからも半年〜1年は薬を続けていく必要があるでしょう。その後ゆっくりと減薬を行い治療終了となります。長く治療がかかってしまう場合もありますが、粘り強く治療を続けていくことがうつ病では大切です。