クリニックブログ

  • トップ

2017年4月のブログ記事

予約開始

2017年4月8日 カテゴリー:

「クリニックからのお知らせ」や、ぎなんメディカルスクエアの「開業までの道のりブログ」でもお話ししましたが、4月24日月曜日より初診の患者様の電話受付を開始することになりました。

時間は平日の午前9時~午後3時まで、土曜、日曜、祝日は除かせていただきます。

お困りごとについてと当日持参いただくもの、予約日時などをご確認いたします。5-10分ほどお時間をいただきます。

昼休憩などの時間帯はお電話がつながりにくくなるかもしれません。どうかご了承ください。

宜しくお願い申し上げます。

 

不眠症について

2017年4月6日 カテゴリー:

「夜なかなか寝付けない」「夜中に目が覚めてしまう」「熟睡した感じがしない」

こうした悩みを持つ方、いわゆる不眠症は日本全国で約2000万人いるという報告があります。高齢になればなるほど不眠の率は上昇し、60歳を超えると約3割が不眠です。一般に男性よりも女性の方が不眠に陥りやすく、実際に睡眠薬を服用している方は400万人以上!なぜこれほど多くの人が悩まされるのでしょうか?

不眠の原因は人それぞれです。痛みや痒みがあって眠れない、ストレスが高じて眠れない、うつや不安があって眠れない…その他にもカフェインやアルコール、ニコチンが原因で眠れない場合もあります。特に、アルコールは寝やすくさせますが睡眠自体の質を低下させるため要注意です。

また、睡眠薬を安易に服用することも憚られます。ベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬は「ガツンと寝落ちさせる」作用があるので、不眠症の患者さんは好んで使用する傾向にありますが、依存性(いわゆる常用量依存)や習慣性、耐性を獲得しやすく、「飲まないと眠れない」錯覚に陥りやすいのです。飲まないと眠れないのではなく、ベンゾジアゼピン系の薬を急に止めたり減薬したりすると反跳性不眠という不眠症状が一時的に現れるから眠れないのです。反跳性不眠を避けるためにはゆっくりゆっくり薬を減薬することが肝要となります。

不眠症の治療のコツは睡眠薬にすぐ頼るのではなく、

・低音量で環境音楽を流す

・心地良いアロマオイルを焚く

・お風呂に就寝2〜3時間前に入って体温が上昇→下降した時の眠気を待つ

・人肌程度の牛乳(ハチミツを入れると効果的)を少量寝る前に飲む

・寝る直前までゲームをしたりネットサーフィンしたりすることを避ける

などの工夫がまずは大切です。その上でどうしても眠れないようなら、主治医の先生の処方した睡眠薬の服用を遵守するようにしましょう。

不眠症の影に「睡眠時無呼吸症候群」が隠れている場合も少なくありません。イビキをかくことが多かったり、寝ている時に息こらえをしていることを指摘されたりした場合は、ポリソムノグラフィという睡眠検査を行って無呼吸の頻度、程度を検査してもらうとよいでしょう。専用の機械(CPAP)を使用することで安眠が取り戻せるかもしれません。

当院でも「睡眠時無呼吸症候群」の検査ができるよう調整していく予定です。

 

ポリソムノグラフィ検査

カッコーの巣の上で

2017年4月3日 カテゴリー:

皆さんは「カッコーの巣の上で」という映画をご存知でしょうか。

1975年に制作されたアメリカ映画で主役はジャックニコルソン。超のつく名優です。原作は1962年に発表されたケン・キージーという人のベストセラー小説です。

主人公のマクマーフィーは刑務所での服役を精神障害を偽って逃れようとし、とある精神病院に送られます。そこでは管理主義的な女性師長が徹底的に患者を管理していました。主人公は病院の管理体制に反発し、事あるごとに問題を起こします。病院で酒盛りしたり、他の患者を誘って外出して船の上でパーティーをしたり…

ある時、病院内で起きた揉め事の関係者と間違えられ、お仕置きとして電気けいれん療法をやられたりします。その時の様子が下の写真です。現在でも重症の精神病患者さんに電気けいれん療法が実施されることがありますが、修正型電気けいれん療法(m-ETC)といって、麻酔医が麻酔をして無痛下で行われます。写真のジャックニコルソンはとても痛そうですね。以前は無麻酔で有痛の電気けいれん療法を行うことが一般的だったからです。

また、映画の終盤で主人公はロボトミー手術という、現在では禁止されている「脳の一部を切除して精神病を治す」手術を施されます。その結果、抜け殻のようになってなってしまいます。その後の主人公の運命は?見るに見かねた友人の患者(チーフ)が取った行動とは?是非実際に映画をご覧ください。

この映画は反体制、自由と権利の対立を描いた作品と言われています。実際、1960ー1970年代のアメリカは長期化するベトナム戦争に対する反対運動が勃興しており、若者を中心に体制に反発するカウンターカルチャー(対抗文化)が起こっていました。当時流行したヒッピーファッションなどはまさにそうです。日本でも安保反対などの学生運動が盛んでした。

しかし、この映画にはもう一つ、当時の精神科治療を否定する「反精神医学」運動を描いている側面があるのです。当時は懲罰としての電気けいれん療法、暴れる患者さんを大人しくさせるためのロボトミー手術、大量のインスリンを注射し低血糖にしてショックを起こさせるインスリン療法など、およそ非人道的な治療が行われていました。もちろん、薬での治療が発達した現代では行われることはなくなりました(修正型の電気けいれん療法を除く)が、当時は精神病状態で暴れている患者さんに対して成す術がなく、長期にわたって独房のようなところに隔離したり、時には犯罪者と同じように扱われ、殺されるようなこともあったのです。

そうした時代背景を写した映画が「カッコーの巣の上で」なのです。ジャックニコルソンは映画「シャイニング」で大好きになった俳優さんです。人間の狂気を演じさせたら、彼の右に出る俳優は後にも先にもいないかもしれません。私のような精神科専門医でさえも?引きづられるように見入ってしまいます。まさに不世出の俳優でしょう。

 

 

12