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2017年3月のブログ記事

MCIスクリーニング検査

2017年3月28日 カテゴリー:

2025年問題と言われている問題をご存知でしょうか?

団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に入り、爆発的に認知症患者が増加することを指します。それが今からおよそ8年後にやってきます。その頃には高齢者が人口の30%を占めるようになり、医療費も介護費も急増します。2050年には生産年齢層(15−64歳)が高齢者層を「肩車」で支える1対1の対応になってしまうという予測があります。これは大変です。そのような中でどう認知症に向き合って行くのか?非常に難しいテーマです。

今認知症治療でトピックなのはMCI=軽度認知障害患者の存在です。認知症と診断された患者様よりも認知機能は保たれていますが、正常とは判断できない、いわゆる認知症予備軍の方達です。「アルツハイマー型認知症」という最も頻度の高い認知症は、発症する20年前からその萌芽(アミロイドβタンパクという異常たんぱく質)が脳内に存在すると言われるようになりました。認知症も生活習慣病の一つなのだと指摘する向きもあります。他の病気と同じく、予防が大切なのです。

そこで登場したのがMCIスクリーニング検査です。わずか血液10mlで認知症になるリスクを判定できるスグレモノです。前述したアミロイドβタンパクは本来正常であれば体外に排泄し、弱毒化する機構が体内に備わっています。その代表的な3つの分解・解毒に関わるたんぱく質を調べ、リスクの有無をチェックするのです。

もし異常があったらどうすればいいでしょう?最近増えているのが認知症予備軍を対象にしたデイケアです。運動したり絵を描いたり、脳トレをしたり、時には麻雀や将棋などのゲームを行ってもらうこともあります。麻雀や将棋は頭を使います。それが脳血流を良くして認知症予防につながるのです。

このように認知症を未然に予防し、絶対的な認知症患者数を減少させる取り組みが始まっています。当院でもMCIスクリーニング検査を導入予定です。気になる方は検査を受けてみてはいかがでしょう。

漢方治療について①

2017年3月25日 カテゴリー:

当院では漢方治療を主とする東洋医学的アプローチも大切にしていきたいと思っています。

西洋医学は「高血圧」「糖尿病」「胃潰瘍」など病気をターゲットにした治療を行いますが、漢方治療はそうではありません。患者様の「今困っている症状」をターゲットにします。患者様個々の体質や体格によって、また、訴えによって例え同じ病気でも処方する漢方薬が異なります。

冷え性なのか暑がりなのか、細面か肥満か、どんな食生活か、下痢気味か便秘気味かなどなど、様々な側面から患者様に一番合う漢方薬を考えていきます。漢方治療によく合致する病気としては次のようなものがあります。

・自律神経失調症、心身症

・うつ病、うつ状態

・不安障害全般

・不眠症

・月経不順、冷え性、更年期障害などの婦人科疾患

・消化器系疾患(便秘や下痢、慢性胃炎、食思不振)

・アレルギー疾患(花粉症、アトピー性皮膚炎)

・呼吸器系疾患(慢性気管支炎、気管支喘息)

その他にもしびれ、めまい、関節痛、頭痛、倦怠感、疲労などの症状の改善も漢方薬で可能です。こうしてみると実に幅広い疾患で漢方薬が活躍することがわかっていただけると思います。漢方薬は「良薬口に苦し」で飲みにくいことは確かです。カプセル製剤もありますが、当院では原則エキス顆粒で処方いたします。分3で食前に飲んでもらうことが通例ですが、分2や分1で食後に飲んでいただいても構いません。続けることが大切です。体質に合うと以外に苦くないこともあるのが漢方薬の不思議な所です。是非皆さんもトライしてみてください。

当院での内科治療

2017年3月24日 カテゴリー:

当院では心療内科、精神科疾患のみならず、内科治療もおこなっていく予定です。

一口に内科と言っても消化器、呼吸器、循環器、内分泌、神経内科etc…非常に多岐に渡ります。当院では基本的にこころの病気に併存するからだの病気をターゲットにします。それは例えば高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病であったり、慢性胃炎、慢性頭痛、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群などの比較的経過の長くなる病気になります。

もちろん、かぜ症候群や急な発熱、気道感染症(気管支炎、咽頭炎)、尿路感染症(膀胱炎)にも対応いたしますが、専門的な治療が必要と判断した場合は速やかに提携の総合病院、専門病院をご紹介いたします。特に、生活習慣病であっても、原発性アルドステロン症に続発するような二次性高血圧や、インスリン注射が必要になる重症の糖尿病、コントロール困難な甲状腺機能亢進症、低下症などは当院ではフォローが難しくなります。予めご了承ください。

ホームページにもお書きしていますが、こころの病気とからだの病気は非常に密接な関係があります。高血圧や糖尿病になると不眠傾向が助長されますし、逆に不眠症になると高血圧や糖尿病に罹りやすくなります。ストレスは肥満をもたらしますし、肥満になるとストレス耐性が低下し、様々なこころの病気を引き起こします。一旦こころとからだのバランスが崩れてしまうと、一方だけを治療するだけではなかなかうまくいきません。

「人間のからだには100人の名医がいる」

ヒポクラテスの言葉です。人間にはそもそも自然治癒力というどんな名医・良医にも勝る「治す力」が備わっています。私達医師はそれをサポートするに過ぎないのです。その自然治癒力を上手に引き出し、個々の病気を診るのではなく、患者様ご本人そのものを診る「全人的医療」を心がけていきたいと思います。

建物完成!

2017年3月22日 カテゴリー:

3月21日建物の内装工事がほぼ完了し、鍵などの引き渡しが行われました!

パース(想定図)通りのシックな内装になりました。

大型のエアコンも配置され、皆さまに暑さ、寒さを感じさせない居心地の良い空間を提供できそうです。ちょっと入り口付近は寒いかもしれませんが…

あとは、什器(机やいすなど)が搬入されればさらにクリニックらしい雰囲気になると思います。開業まで約2カ月を残すばかりです。これからやらないといけないことが目白押しですが、一つ一つクリアしていく所存です。頑張ります!

 

 

 

不安障害について

2017年3月17日 カテゴリー:

「不安」はどなたにも存在する正常な感覚です。

試験の前の日やプレゼンテーション、大事な試合の直前、子供の進路、将来etc

高等生物が種を残していく上で欠かせない感情の要素が「不安」です。「不安」がない生物は外敵を恐れないために、太古の昔に絶滅してしまっています。今地球上で絶滅を免れている生物は多かれ少なかれ「不安」を抱えながら生きているはずです。

しかし時にその「不安」が過剰で著しく、生活していく上でで支障をきたしてしまう状態になることがあります。それが「不安障害」です。不安障害は非常に広い概念でその下にたくさんの病気を内包します。

・社会(社交)不安障害

・全般性不安障害

・パニック障害

・特定の恐怖症(閉所恐怖症、高所恐怖症など)

いずれ各病気の特徴についてはブログでも触れていこうと思っていますが、有名な「パニック障害」も不安障害の一つです。不安障害になると、動悸、息切れ、呼吸困難感、めまいなどの自律神経発作=不安発作を伴います。パニック発作もその一つです。「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖感に晒され、非常にご本人は苦痛です。うつっぽくなることも多く、不安を感じる場所やシチュエーションを避けて家に引きこもる場合もあります。そうなると日常生活に多大な影響を及ぼします。

ここで「不安」と「恐怖」の違いについて触れておきましょう。「不安」は漠然と漂うもの、「恐怖」は対象が限定されたものです。「恐怖」の前には必ず「閉所」や「動物」など特定の対象名が付きます。「不安」の対象は逆に広く浅くといった感じです。

不安障害は心が弱くなったから発症するわけではありません。脳の中の扁桃体と呼ばれる原始的な部位の異常によって不安や恐怖を過剰に感じることで症状をもたらします。「扁桃体の暴走」と例えられます。

「抗不安薬」「マイナートランキライザー」と呼称される薬を用いて不安発作を抑えたり、「抗うつ薬」を用いて脳内のセロトニンを増やし、不安を軽減する治療が行われます。特定の恐怖症に対しては暴露療法などの認知行動療法や森田療法が有効な場合があります。いずれにしろ適切な治療をおこなえば不安障害は必ず改善します。一人で悩まず心療内科や精神科の門を叩いてみましょう。

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